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「先生に、申し訳ないと思っています。」

レッスンの帰り際に、玄関で言ったお母様の言葉です。

 

レッスンを始めて、約1年のK君。

いつも、お部屋に入るなり、ソファーに寝転んだり、本を読んだり、・・・・・・・・・

お母様の注意を促す言葉も耳に入らないのか、その態度はなかなか直りません。

昨年のクリスマス会では、目に余る行為がいくつも??

 

本人に、ピアノを弾けるようになりたい気持ちがあるのは、確かなようです。

新しい課題を提示すると、「できない」と、簡単に口にします。

が、「最初からできる人はいない、」と言うと、もう一度、やってみます。

できないと、何度も何度も集中して、練習しています。

簡単にできるようになると思っていたのかもしれません。

 

ピアノの音色を味わって、心を潤わせているような感じの時もあります。

お家では、キーボード(?)なので、響きを味わっているような瞬間もあります。

先週のレッスンでは、11月のレッスンに向けての、少し厳しめのお話をさせていただきました。

 

去年4月に引っ越してきたK君のお家では、それまで、おじい様とおばあ様のお二人が介護状態だったようです。

今は、介護はおばあ様だけになったようです。

詳しいことはわかりません。

が、K君からは、言いようのない悲しみ、やるせないさみしさ、のようなのものを感じることがあります。

そして、ピアノの響きが、彼の心を癒しているように思うことがあります。

 

お母様の気持ちを察したのか、玄関を出て、深々とお辞儀をして帰ったK君。

一緒に、ゆっくりゆっくり、成長していきたいと思います。

 

 

お母様に、

 

 

 

 

 

 

 

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